わたしががんばっても。
ハァッハァッ…
2人の間にわたしの荒い息だけが響く。
「単刀直入に言う。あの子に別れてって言われたんでしょ?
お願い。
だったらもう別れて。」
「そんなん、無理だ…。」
「なんで?『それなり』の気持ちなんでしょ?」
「ちげーよ…。本気で好きなんだよ。
でも、アイツ笑うとかわいいじゃんか。
不安なんだよ…。」
は?
…どういう意味?
「オレから離れていかねぇか不安で…だから少しでも気をひきたくて……。」
中村は悔しそうな…淋しそうな…そんなもうすぐで泣きそうな複雑な顔でうつむいた。