わたしががんばっても。
「だからっ、そう言ってんじゃん!!」
真っ赤な顔して私を見上げる。
「ウソじゃなくて…?」
またうつむいてしまった稜に、わたしは問いかけた。
「だーかーら…」
稜は、少しイラついた声でもう一度顔をあげると言葉を止めた。
それはわたしが泣いてたから。
「…もうオレのこと嫌い?」
稜は立ちあがってわたしの頬に触れた。
わたしは首をブンブンと横にふる。
「…だいすき。」
稜は以前のように優しく笑った。
「オレも。麻琴が大好き。」
そう言って稜はわたしを抱きしめた。