わたしががんばっても。
「そのさ…いつまで…こうするの?」
今現在、わたしの家の前。
稜はわたしを抱きしめている。…かれこれ10分ほど。
「オレの心が満たされるまでー。」
そう言ってさらに強く抱きしめる。
「そうだっ、稜!」
わたしは稜の腕から逃げて話しかけた。
「ん?なに?」
稜は両手を淋しそうに下ろす。
いきなり…恥ずかしいよ。
「クリスマスイブ、どこか…行かない?」
恋ちゃんと行く予定だったけど、恋ちゃんは
『中村とどっか行ってきな。わたしは笑嘉と行ってくるよ。』
って言ってくれた。
笑嘉ちゃんは、すごい可愛い子でわたしと恋ちゃんとも仲よし。