わたしががんばっても。
オレと別れてから麻琴は元気がなかったが
だんだんと笑うようになっていった。
オレの大好きな笑みを浮かべて。
「稜…わたし稜が好き。」
麻琴から別れて3週間ほどたったころ。
塾の後、南に呼ばれて公園へと行ったとき、南から告われた。
「な…に言ってんのおまえ…」
正直…信じられなかった。
南のこと恋愛の対象として見てなかったし、
オレは麻琴に夢中だったから。
南とはいい友達だと思ってたから。
「いいよ。フッて?」
そう言って、今すぐにでも涙が零れそうなほど
目を潤ませている南にオレは
本当にオレを好きなんだと悟ったんだ。
「すき。大好き。稜のことが好きで、木下さんが憎くて。2人を引き離すためにウソついたの…。」
「ウソ…?」
南は涙をポロポロ流しながら、全てを話してくれた。