わたしががんばっても。

オレと別れてから麻琴は元気がなかったが

だんだんと笑うようになっていった。

オレの大好きな笑みを浮かべて。



「稜…わたし稜が好き。」


麻琴から別れて3週間ほどたったころ。

塾の後、南に呼ばれて公園へと行ったとき、南から告われた。


「な…に言ってんのおまえ…」


正直…信じられなかった。

南のこと恋愛の対象として見てなかったし、

オレは麻琴に夢中だったから。

南とはいい友達だと思ってたから。


「いいよ。フッて?」

そう言って、今すぐにでも涙が零れそうなほど

目を潤ませている南にオレは

本当にオレを好きなんだと悟ったんだ。


「すき。大好き。稜のことが好きで、木下さんが憎くて。2人を引き離すためにウソついたの…。」

「ウソ…?」

南は涙をポロポロ流しながら、全てを話してくれた。

< 80 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop