わたしががんばっても。
「あっ、れーん!!」
叫ぶなと言ったにもかかわらず、わたしの姿を見つけるなり叫ぶ純。
「だからっ…叫ぶなって言った…ハァ…だろ!?」
「ハハハッ ごめんごめん!」
息を整えてると
「そーだ、コレ。姉貴から。恋の好きなミルクレープ。」
「え…?葵さんが?ありがと…。」
葵さんは純のお姉さんで、最近カフェをオープンした。
「今日、オレの部屋来るんだろ?行こうぜ」
純に手を握られ、特に抵抗もせず歩く。
…純とはつき合ってるわけではない。
「あれっ 恋ちゃんじゃなーい!また来てくれたの?」
純の家へと行くと、迎えてくれたのはお母さんの茉莉さん。
「あっ…おじゃまします」
握られてる手にあえて
ツッこんでくれないのが余計恥ずかしい。