うらしまたろう。ではない。
助けた亀は亀
むかしむかし浦島太郎という青年が海岸を散歩していると、亀が子どもたちにいじめられていました。
ーーー
「おい。お前らなにしてんだ。」
「亀いじめ。」
「そんなことして楽しいのか?」
「見てよこいつ!ひっくり返されると一人じゃ起き上がれないんだよ!」
「そんなのが楽しいのか。お前ら可哀想な人生送ってんだな。」
「な、そんなことないし!
他にいっぱい楽しいこと知ってるもん!」
「へーそうかい。
例えばなんだよ、言ってみろ。」
「えっと…カードゲームとか?」
「はー、だから今時の子どもは…。
お前らそんなにカードゲーム楽しいなら亀なんかいじめてないでお家でカードゲームしてればいいだろ。」
「家だとお母さんが怒るし、友だちもあんまり呼べない。」
「だから最近外でカードゲームやるガキが増えてんのか?
意味わかんねーよ。動く気ねーなら家ん中でやれよ。」
「だってお母さんが…」
「よし、わかった。
じゃあお前の家のかーちゃんに、こいつらは外に出ると亀いじめなどをしてしまうので家の中で遊ばせてあげてくださいって頼んでやろうか?」
「それはダメ!うちのお母さんメッチャ怖いんだからな!」
「じゃあ怒られるようなことすんじゃねーよ。
外で遊ぶなら走るなり泳ぐなり他に楽しいこといっぱいあるじゃねーか。」
「うん。ごめんなさい。もうしないよ。」
ーーー
そして海岸には子どもたちの笑い声が響き渡ったのでした。
めでたしめでたし。
(いやいやいやいや!)
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