淡夢【短編集】
メールの内容を確認して……



私は自分の過ちに気付いた……



『今日は俺達が付き合ってちょうど一年だぞ! 記念の木の下で待ってるぞ! さびぃから早く来いよ!』


そうだ……


昨日は私達が付き合いだして、ちょうど一年……



私は涙を流す……


そして家を飛び出す……



ごめん……



本当にごめん……



鈍感なのは私の方だった……



何も気付いてないのは私の方だった……



許されないのは……



私の方だった……



ごめん……



私が寒がりだから……


私が翼の上着を取るから……


翼が私を待たせないように先に待ち合わせの場所に行くから……



だからいつも翼が寒くなるんだ……



忘れちゃいけないことを……



私は忘れ過ぎたんだ……



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