淡夢【短編集】
「あっ、これゴッホのひまわりじゃない?」
君がテーブルの横の壁にかけられたひまわりの絵を見ながら言った。
「違う違う、ゴッホのひまわりはこんなのじゃないよ」
僕はあまり詳しくないが、そのくらいはわかった。
「なんだ違うんだ。でもこの絵なんか好き……」
そう言いながら絵を眺めるお前の横顔を見ていると……
急にやり場のない気持ちが込み上げて来て……
別に見たくなかったが、僕もその絵の方を見た……