ペテンの道化師
その日のショーも、ボクはいつもの通り笑い者になった。
キルトもどこかでボクを笑っていてくれるかな?
翌日。
ボクは湖のほとりへやってきた。
キルトに会うために。
キルトは昨日と同じ場所にいた。
あれ?
笑顔で迎えてくれると思ったのに……
どうしてキルトはあんなに苦しそうな顔をしているんだろう?
「やぁ。昨日は楽しめなかったのかい?」
「楽しかったわ。とっても」
ボクは首を傾げた。
じゃあキルトはどうして笑ってない?