私と彼とカレとワタシと






「内規くん。
俺の父さんが悪かったから…。」







内規くんは
悲しそうな瞳を私たちに向けると
病室を去った。
それから
内規くんは病室には
二度と来なかった。




















「内規くん
大学も休んでるの?」





退院後。
私は大学にいた空さんに話しかける。






「うん。
しかも…。
執事の仕事も外されたんです。」






「じゃあ
空さんは内規くんの執事じゃないってことですか?」





「はい…。
私は内規様を探しているのですが
見つかってなくて。
もしかしたら
大学にまた来るのかもしれないと思いまして私も大学に通っているのですが…。
内規様が見つからないと私もここの大学に通う意味もありません。
だからもう少ししたら
私も大学を辞めようと思います。」







「そうですか。」






内規くんが見つからないまま
時間は過ぎて行った。









< 126 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop