私と彼とカレとワタシと








「母さん…!」










病院の先生曰く
レンくんのお母様は
ハンドルの操作ミスで事故にあったらしい。








「…。」






本当に…?






「今夜が
峠でしょう…。」






医師が
残念そうにレンくんのお母様を見る。





「…。
母さん…?」





医師が病室を出て行った後
レンくんのお母様が
薄っすらと目を開ける。







「母さん…!」






「レ…ン
ごめ…。」






「どうして謝る!」





「手…紙…
家…ある…。」






レンくんのお母様は
涙ながらに言う。







「迷惑…か…てごめん…。
レ…ン。
ありがとう。
…っ…。」







最後に
言った言葉は何かわからなかった。
そして
ただ無神経な機械音だけが
病室に鳴り響くのであった。






私は何もできなかった。









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