Fake Love
ジャケットを羽織り
「それじゃ失礼します」
「ち、ちょっと楓ちゃん」
何気に焦ったような桐生さんに引き留められ
「何処に行くの?」
えっ?
何処にって
「帰るんですけど」
「帰るのは分かってるけどこんな夜更けに一人じゃ危ないでしょ」
「大丈夫ですよ。このホテル出た所が駅ですから。まだ電車ありますし」
「駄目だ!俺が送るから」
「はぁ?」
な、何で桐生さんが…スターの桐生さんが私を送るのよ?
「そんな申し訳ないです。あ、ホテル前からタクシーで帰りますから大丈夫です」
「俺が送るから」
一言ビシッと。
ちょっと、どうしたらいいの?