Fake Love




そして今日


約束の時間に兄貴から教えられたビルへ


「吉武さん、いらっしゃいますか」


「あ、楓ちゃん待ってた。久しぶりだな」


「はい。ご無沙汰してます」


バイトの話を持って来たのは兄貴の高校時代からの友達の吉武さん。


今は『Esperanza』の事務所に勤めてるんだって。


「相変わらず可愛いな。いや綺麗になった」


「あ、ありがとうございます」


吉武さんに会うのはかれこれ5年ぶり。


あの頃の私って高校二年生だった。


「今日は引き受けてくれてありがとうな」


「はい。…で、吉武さん私、何をしたら」


「あ、簡単だから。要に聞いてるだろ」


「はい?」


聞いてるって何を?


「緒方さん、戸部さん、お願いします」


「はい。こちらへ」


えっ?


何故か別の部屋に連れて行かれ…


あれよあれよと言う間にお洒落なワンピを着せられヘアメイクをされてしまった。


……





こ、これは一体…


何が始まるの~~



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