Fake Love
「あ、やっぱり楓ちゃんは綺麗だ。うん、俺の目に狂いはなかった」
ヘアメイクとワンピで変身した(さされた?)私を見て吉武さんが満足そうに
「そうでしょ。素顔がいいから本当に綺麗。そんなにメイクも凝らなくてよかったわ」
「選んでおいたワンピもぴったりだし」
緒方さんと戸部さんも何故かテンションアップしてるんだけど…
私一人取り残されてるって言うか?マークが頭の中を飛び回ってる。
「あ、あの吉武さん!すみません。説明して下さい。なんでこんな恰好するんですか?撮影の手伝いじゃないんですか?」
「えっ?」
「山科さん」
「楓ちゃん、要に」
三人の戸惑いの声が重なった。
えっ?
一体何なの?
「楓ちゃん、要に何て言われた?」
「撮影の手伝いに女の子がいるからって」
「……」
「……」
「……」
三人が顔を見合わせている。
「あの…」
「ん…確かに間違いはないんだが」
「あのね、山科さん」
「はい」
三人が話してくれた内容に
「はぁ~あ、ありえませ~ん」
部屋に私の絶叫が木霊した。