Fake Love
「そ、そんなとこ分かるわけないです」
撮影の時も今も髪は下ろしていた。
「ハハハ…ごめんごめん。でも、そのお陰で楓ちゃんに見つめてもらえた」
「奏人さん!も、もう信じられない」
「ククク…ハハハ…」
また笑いだした。
ーー
ー
この人は、これからも私が何か言う度、 する度に笑うんだろうな。
本当に笑い死にしても責任取りませんよ。
「ハハハ…」
まだ笑っている奏人さんの唇に触れるだけのキス!
「か、楓ちゃん」
驚いたように目を丸くした奏人さんに
「これで笑いが止まったでしょ?早く車 を出して下さい」
「……」
「ね!」
「ハハハ…参ったな」
静かに車は動き出した。