Fake Love




そして連れて来られたのはお洒落なカフェ


9時半から11時までの時間を借りきっての撮影となった。


「カナ、こちらが山科楓さん」


「奏人です。急なことでごめんね」


「い、いえ。何にも分からないですけど宜しくお願いします」


「こちらこそ宜しく」


ニコッと笑ったその顔はやっぱり綺麗で芸能人だなと改めて思ったり。


慣れないカメラの前でこんな整った人に見られて居心地悪いのに、その上ギャラリーの女の子達の目線に晒されてまるで針のむしろ。


何とかカフェでの撮影は済んだけど…まだまだあるんだよね。


そして考えることは私をこんな目に合わせた馬鹿兄貴のこと。


考えれば考えるほど腹が立つ。


帰ったら絶対に文句を言ってやるんだから。



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