Fake Love
「バンドのサークル」
『バンドのサークル』
あぁ、確かあったな。
ロックやJポップやパンク等々種々雑多ごちゃまぜなサークルが。
大学祭で聴いたことある。
へぇ~兄貴入ってたのか。
「山科先輩は吉武先輩に引きずり込まれてライブとかの時に裏方をやってくれてたんだ」
「そうなんですか。裏方ですか。それなら分かります。兄に音楽の素養なんかないですから」
アコースティックギターをほんの少し弾けるだけだもん。
あ、あれ?
「ん?どうした?何か聞きたいことある?」
「吉武さん…桐生さんとバンドやってたなら」
何で『Esperanza』じゃないの?
「あぁ。吉武先輩は俺達とは違うバンドやってたんだよ。だけどサークルの部長やってたんで。自分の参加してたバンドが解散してからは新たに組まず俺達のサポートに回ってくれたんだ。今では敏腕マネージャーだし。だから先輩には頭が上がらない」
「そうなんですか」
吉武さんって事務所に勤めてるだけじゃなくマネージャーさんだったんだ。
知らなかった。