Fake Love
「で、楓ちゃんは俺達の曲を知ってても俺達自身のことは殆ど知らないんだよね」
「ご、ごめんなさい」
思わず椅子から立ち上がり頭を下げる。
「いいよ、謝らなくて。頭を上げて」
「……」
「ね」
顔を上げて桐生さんを見ると優しく笑っている。
ド、ドキッ!
…あまりにも綺麗な顔なので思わず心臓が跳び跳ねた。
う~ん、これこそ芸能人スマイル!
「さ、山科さんメイク仕上げましょうね」
その時、緒方さんが戻って来て
「カナ君も後から抑えるから」
「ん」
私の飲んでいたカップを手に
「先輩が驚くくらい綺麗にしてもらって」
自分のカップと共に持って行った。
わ~芸能人に後片付けさせちゃってるよ、私。