Fake Love



「あのさ、ちょっとでいいから笑ったら早く撮影終われるよ。此処を離れる事出来る」


再び小声で


「……」


それも一理ある。


でも


「みんなに見られて頬の筋肉がひきつってます」


「クッククク…そ、それもそうだね」


「……」


な、何がおかしいんですか?


だいたい笑うのは私でしょうが!


…笑えないけど。


「俺も今、君を笑かすような話し思い付かないし」


「はぁ」


ま、お笑い芸人さんじゃないし。


「あ、そうだ。笑わなくてもいいから、俺の顔を見て」


「えっ?」


「それならそれらしい写真撮れると思うよ」


「だ、駄目です」


「ん?」


「は、恥ずかしい」


だってあまりにも整ってる顔なんだもん。





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