Fake Love

Act.4




それから撮影に戻り


ビリヤードの写真を何とか撮り終えて


時間は夕方になっていた。


次の撮影場所はホテルの庭


一般のお客様には解放していない庭の奥の方で。


衣装は先ほどと同じ物で桐生さんがコートを羽織っている。


夕焼けを待って撮影。


二人歩く。


…って言われても緊張しちゃって右手右足が同時に出たり、ピンヒールゆえぎこちなかったり。


「桐生さん」


「ん?」


「笑いたかったら笑っていいですよ」


「……」


「無理して堪えないで下さい。体に悪いです」


絶対に我慢してる。

だって鼻がピクピクしてるし。


「クッ!ククク…楓ちゃん反則」


「はぁ?」


反則って何がよ?


「今のセリフ聞いたら…ククク…ハハハ…頼むから笑かさないでくれ」


「……」


さっきは私はおかしくないって言ってませんでしたか?


「ハハハ…」


写真のコンセプト全く無視で笑い続けてる。


確かに「笑っていい」とは言ったけど…


笑いすぎです、桐生さん。




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