Fake Love
「クククク…ん~じゃあさ、俺の顔にホクロあるの気づいてる?」
「えっ?ホクロ…ですか」
ちらっと顔を。
「い、いえ」
ないと思うけど。
「残念。実はあるんだよね。探してごらんよ」
「はい?」
ホクロを探すんですか?
「ん。そうしたら俺の顔を見れるでしょ。会話しなくても大丈夫だから。ね、楓ちゃん」
「はぁ」
この際『楓ちゃん』と馴れ馴れしく呼ぶのは我慢するとして。
ホクロかぁ。
「ね」
喋らなくていいなら探して見ようかな。
彼の顔に視線をさ迷わせてホクロ探しを始める。
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