Fake Love



「クッククク…ハハハ…」


何故か向かいのホクロの主がいきなり笑いだした。


「あ、あの~」


いったい何がおかしいんだろう?


さっきといい今といい。


この人、案外ゲラなのかしら。



「はい、OKです」


「お疲れさまでした」


「……」


あれ?


「撮り終わったみたいだね」


「あ、そうなんですか」


はぁ~やっと終わった。


あ、


「すみません。ホクロ」


立ち上がって


「まだ見つからなかった?」


「はい」


何処にあるのか分からないのはモヤモヤするけど終わったんだよね。


これで帰れるから、もうホクロはどうでもいいや。


バッグを手に取り私も立ち上がり


「じゃあ次の撮影場所で探して」


「はっ?」


今、『次の撮影場所』って言わなかった?


「ん、まだまだ撮影あるし。たぶん夜までかかると思うよ」


「……」


「楓ちゃん?」


「よ、夜まで…う、うそ~」


再び椅子に崩れた。



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