人を信頼できない男と愛を忘れた女が出合ったら・・・



なにかいい香りがする。


どこかで嗅いだことのあるような香り。



「あの、香水とかつけてますか?」


なにげない疑問。


その答えを言おうと、口を開いた彼の言葉を隠すかにように八雲輝が喋った。



「その質問、昨日も言ってたよ~(笑)」



親しみを感じる口調。

これは、覚えているフリをしたほうがいいな・・・!


「そうだっけ??物忘れかな~??」



「その年で!?早いだろぉ~(笑)」



「八雲くんだって、物忘れするでしょー!!」



「オレは、しないよ!!愛美ちゃん、おばあちゃんだぁ~(笑)」



「まだ、若いよ~」



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