令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
何が違うのかなと思ったら、本来なら一番強く感じるはずの、正面からの視線が全く感じられなかった。

そっと顔を上げ、私の正面に座っている男の人を見てみたら、その人は知らん顔で斜めの方向をむいていた。壁に飾られた、たぶんイタリアのルネッサンスの頃の絵を観ているらしい。私が視線を感じなかったのは当然だ。


それにしてもこの人、何処かで見たような……


その人とは、もちろん今日初めて会ったはずなのだけど、まるで昔から私が知ってる人のようで、むしろ懐かしささえ感じてしまうのはなぜなんだろう……


あ、わかった! この人、パパに似てるんだわ。

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