令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「その方が、どうかしたの?」

「うん。今日ね、お会いしたの!」

「あらま。どういう経緯(いきさつ)で?」

「あのね……」


私は、今日の松本さんに関する出来事の一部始終をママに話した。


「そうだったの……。良かったわね?」

「うん! でもね、まだ松本さんからメールが来ないの。確かに“メールする”って、言ったと思うんだけどなあ」

「お仕事で忙しいんじゃない?」

「ああ、そうか。そうだよね」

「とうとう栞にも、彼氏が出来ちゃったかなあ……」

「か、彼氏!?」


ママの口から思いもよらない言葉が出て、私はびっくりした。松本さんが、私の彼氏?

そういう事になるのかな。きゃっ。どうしましょう……


「栞ったら、顔が真っ赤よ」

「やだ、もう……」

「ま、彼氏と呼ぶにはまだ早いけど、栞が男の子とメール交換とかするのって、初めてなんじゃない?」

「うん、そうだよ。俊樹さん以外では」

「ああ、俊君ね……」


そう言って、なぜかママは考え込む仕種をした。

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