令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
三角関係で揉めるのは嫌だし、ここを辞めて他を探すのは面倒なんで、そうなる前に杏里さんとの関係を絶ちたいのだが……


「待ってるから」

「え? あっ……」


杏里さんはひとこと言い残し、俺の返事を待たずにさっさと背中を向けてしまった。つまり、強引に押し切られてしまった。

杏里さんは歳が俺よりひとつ上という事もあり、常に俺は杏里さんから押されっぱなしだ。いわゆる尻に敷かれてるような感じ。


仕方ない。今夜は杏里さんのアパートへ行くとして、むこうがどんな話をするかは分からないが、状況によっては俺から別れ話を切り出すとしよう。

うまく行けばいいが……

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