令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
松本さんからではないと分かり、ホッとするような、それでいて残念なような複雑な気持ちでいたら、


「俊樹さんって、久しぶりじゃない?」


と絵理に言われた。言われてみれば、合コンの日以来だから、ちょうど一週間ぶりという事になると思う。


「うん、そうだね……」


と返しながら俊樹さんのメールを開いた。


『今からそちらへ向かうから、一緒に帰ろう?』


「えっ。それはダメー!」

「どうしたの?」

「え、うん……」


絵理への返事もそこそこに、私は大急ぎで返事を入力した。


『今日は用事があるので一緒に帰れません。ごめんなさい』


書いたメールを送信しながら、


「“一緒に帰ろう?”って……」


と言ったら、絵理は呑気な調子で「あら、まあ」と言った。
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