令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「何て書いたの?」

「ん? こうだけど?」


私は今俊樹さんに送信したメールを絵理に見せた。


「あちゃー。これじゃ俊樹さんから追求されちゃうよ?」

「えー、そうかなあ」

「相手は誰か、ってね。間違いなく」


絵理が言った通り、すぐに俊樹さんからメールが来た。


『誰と会うの? 僕も知ってる人?』


絵理と別れた後も、俊樹さんとメールのやり取りは続いた。

絵理は別れ際、松本さんに誘われても変な所へ行かないようにとか、ママみたいに注意事項をいくつか言ってくれた。


結局、私は質問に答える形で、松本さんの事を正直に俊樹さんへ伝えた。ただし合コンで知り合った事だけは言わなかったけど。


それでもなお俊樹さんからのメールは続いた。それは全て、松本さんについての質問のあれやこれや。年令とか容姿とか、どこの学生か、などなど。俊樹さんと同じ大学だと言ったら、びっくりしてた。


私はみんなみたいに歩きながら携帯を操作する事が出来ない事もあり、待ち合わせに遅れたら大変なので、最後は『もう時間がないのでお返事できません』と書いて送った。


その後、俊樹さんは待ち合わせの場所を聞いてきたけど、私は返事をしなかった。返事出来ないと宣言したのだし、もし答えたら、俊樹さんもそこへ行くのじゃないかと思ったから。

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