令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
えっ? “お兄ちゃん”?
という事は、この子は松本さんの妹さん?


松本さんは、「おお」とか言いながら立ち上がり、妹さんらしい女の子は、「もう……」と呟いて頬を膨らませた。

うふ。可愛い……


「はじめまして。妹の由紀です。兄がいつもお世話になってます!」


妹さんは元気よくそう言い、ペコリと私にお辞儀してくれた。


「はじめまして。吉田栞と申します。こちらこそ、お世話になっております」


私も由紀ちゃんにご挨拶しながら、ホッと胸を撫で下ろした。

よかった……。妹さんで。


店員さんに椅子を引いてもらい、私が座ると、


「なんか、ごめん」


と松本さんが言った。私は何の事か分からずキョトンとしていたら、


「お兄ちゃんったらドジだから、ダブルブッキングしたんです」


と由紀ちゃんは言った。

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