令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
最後のデザートも美味しく戴き、瞬く間に楽しい時間は過ぎた。


お店を出る時、お食事代を支払おうと私がお財布を出したら、


「いいよ。俺が出すから」


と悠馬さんに言われてしまった。でも、そういう訳には行かないと思う。お料理をコースで戴いたので、食事代はかなりの高額のはず。由紀ちゃんの分は仕方ないとしても、私の分まで悠馬さんに出して頂く訳には行かない。


「ありがとうございます。でも、そういう訳には行きませんから……」


と言って私はお財布に指を入れた。えっと、いくらぐらいかしら……


「俺が誘ったんだから俺が出す」

「いいえ、せめて自分の分は自分で……」

「いいって言ってんだろ!」


悠馬さんに怒鳴られてしまった。

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