令嬢と不良 ～天然お嬢様の危険な恋～

悠馬さんは、「えっ？」と言って私を見たまま固まってしまった。

私は、こういう時の礼儀だと思って悠馬さんをお茶にお誘いしたのだけど、おかしかったのかしら。“こういう時”と言っても、彼氏に送ってもらったのは生まれて初めてだから、その辺が私にはよく分からないのだけど……


少しして、

「今日はやめておくよ。遅いし、家の人が驚くだろうからね」


と、悠馬さんは苦笑いを浮かべて言った。


「あ、そ、そうですよね？」


悠馬さんの言う通りだと思った。こんな夜遅くに、しかも予告なしに彼氏を紹介したら、きっとママはびっくりしちゃうと思う。

あ、パパもだ。パパの車がガレージに入ってるから、パパも家にいるはずだ。


私ったら、バカだなあ。もし悠馬さんがお断りしてっくれなかったら、大変な事になってたと思う。