令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
いかに店が小さいかを強調しようと思い、店の従業員は店長と杏里さんと俺の3人しかいなくて、しかも杏里さんと俺は昼と夜で交代だから、実質的には2人しかいない事を栞に説明した。


すると、なぜか栞は「えっ?」と声を漏らし、深刻そうな顔をした。単に驚いたのとはちょっと違う感じがした。

そこで、「どうかしたか?」と聞いたら、「2人じゃ大変じゃないですか?」と栞は言った。

つまり、栞は俺の事を気遣ってくれたらしい。優しい子だ。



まだそう遅い時間ではないので、次にどこかへ行こうと思った。

しかし栞はまだ未成年だから飲み屋に誘うわけには行かず、一つだけ思い付いたのはカラオケだが、俺はあまり好きじゃないから俺から言い出す気にはなれない。

という事で、栞の意見を聞く事にした。もし栞がカラオケに行きたいと言ったら、その時は付き合ってやろうと思う。


「さてと、次はどこ行く?」

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