令嬢と不良 ～天然お嬢様の危険な恋～

なーんて、一人突っ込みしてる場合じゃねえな。栞も、いや、栞がその気なら、これからはもっと積極的に行かせてもらおう。


「だから悠馬さんも忘れてください！」

「イヤだね」

「え？」

「俺は忘れないし、おまえだって本当は忘れられないんだろ？」

「そ、それは……」


うん、いい調子だ。


「実は俺、今も猛烈にしたい気分なんだよね」


そう言いながら、俺は栞の華奢な両肩を両手で挟むように掴んだ。

“猛烈”というのは少し大げさだが、栞にキスしたい気分なのは本当だ。

前回はほんの一瞬だったが、今度はじっくりと味わってみたかった。栞の、サクランボみたいな唇の味を……