令嬢と不良 ～天然お嬢様の危険な恋～

いくらうぶな私でも、フィジカルな男女の関係がどういうものかぐらいは分かる。つまり、セ……って、恥ずかしくて言えないけど。

私は、顔がカーッと熱くなるのを感じた。


「栞も分かっちゃったのか？ そういう事、分かっちゃうのか？」


なぜかパパは血相を変えてそう言った。私の事を、まだ子どもだと思ってるのかな。


「あなた、何を言ってるのよ。そんなの当たり前でしょ？ 栞はもう二十歳になるのよ？」

「それはそうだが……栞、おまえ真っ赤な顔して、まさかもうその男と……！？」

「そんなはずないでしょ！？ 今日が初めてのデートなんだから……、ね？」

「う、うん」

「そ、そうだよな？」


パパはホッとした様子だけど、私は後ろめたい気持ちで一杯だった。悠馬さんと深い関係でない事に偽りはないけど、キスを２回もしているから。

キスも、フィジカルな関係という事になっちゃうのかな。