令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
働くって、大学をやめて働くってか?
まさかな。


「バイトか?」

「はい」


そうだよな。でも、なんでまたバイトなんかするんだ?
栞は金持ちなんだから、そんな必要はないだろうに……


「なんで?」

「それは……、社会勉強のために……」


ああ、要するに“お遊び”だな。ま、好きにすればいいさ。


「ふーん、いいんじゃねえか?」

「ほんとですか!? よかった……。悠馬さんに反対されたらどうしようと思ってました」

「俺が反対するわけないだろ? そんな権利もないし。あ……」


しまった……。ただでさえ俺のバイトのせいで栞と会う時間が少ないのに、栞までバイトを始めたんじゃ、ますますだよなあ。下手したら全く会えなくなるかもだ。

と言っても、別に俺は栞と会いたいってわけじゃないだぜ。栞を心身共に俺にメロメロにさせる、という計画に支障が出る。そういう事なんだよ、うん。


「どうしたんですか?」


やっぱり反対するか?
でもなあ、俺にはそんな権利はないって、言っちまったしなあ……

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