令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「で、彼女は何て言ってるんだ?」

「それがですね、ま、聞けば店長も笑っちゃうんじゃないかと思うんですが、なにせ世間知らずなもので……」

「いいから、早く言ってみろ」

「はい。栞のやつ、ココで働きたい、なんて……」

「なに!? ココでか? 何でまた……」

「社会勉強のためとか言ってます。笑っちゃうでしょ?」

「え? ああ。しかし待てよ。うーん……」


あれ?
店長のやつ、てっきり一笑に付して終わりと思ったのだが、何やら考え出した様子だ。どうなってんだ?


「店長……?」

「よし。雇ってやるよ」

「…………はい? もう一度言ってもらえますか?」


店長は“雇ってやる”って言ったように聞こえたが、そんなはずはない。たぶん俺の聞き違いだろう。


「彼女を雇うと言ったんだ」

「うそでしょ!?」

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