令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
店長のやつ、気が触れたんじゃないだろうか。


「あ、もしかして栞を気に入って、それで……」

「バカ言え。確かに彼女は可愛いが、俺は杏ちゃん一筋だ」


違ったか……


「そもそも、この店にそんな余裕あるんですか?」

「ない。だから時給はおまえの半分だ。それしか出せん」

「俺の半分って、彼女は大学生ですよ? そんな給料じゃ……」

「彼女は金が目当てじゃないんだろ? 社会勉強っていうのも口実で、本当はおまえと一緒にいたいってだけだろ? 可愛いじゃねえか……」


う、確かに。店長って、意外と鋭いな。

店長の顔をまじまじと見たら、何か企んでるらしく、薄笑いを浮かべていた。

< 273 / 548 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop