令嬢と不良 ～天然お嬢様の危険な恋～
実は明日の土曜日、私達はデートをするのよね！

いつも一緒ではあるけれど、昼間に長い時間一緒にいられるのは初めてだから、私はすごく楽しみにしている。

明日はどんなお洋服を着て行こうかな？
あ、そのためには、どんな所へ行くのか分からないと困るよね？

後で悠馬さんにメールしようっと……


ウキウキ気分で家の扉を開けたら、すぐに婆やが出迎えてくれた。


「お帰りなさいませ。呼び鈴を鳴らしてくれればいいのに……」

「だって、婆やが寝てたら悪いから……」

「寝ませんよ。お嬢様が無事に帰るまでは眠れません」

「もう、婆やは心配性なんだから……」


婆やだけでなく、ママも私が帰るまで寝ないで待ってくれている。もっとも、パパは昔からお帰りが遅く、ママの夜更かしは今に始まった事ではないらしいのだけど。


「お嬢様、奥様がお話があるそうで、お部屋でお待ちですよ？」

「そう？ 何かしら……」


私は帰れば必ずママに帰宅の報告をするのだけど、それなのに婆やに言づてを頼むという事は、余程大事なお話があるのだと思う。なんかちょっと、嫌な予感がするなあ。

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