令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「ど、どうして?」

「だって、売却しちゃったもの……」

「売却? 誰が? どうして?」

「もちろんお祖父様がよ? どうしてなのかは私も知らないの」

「いつ?」


「もうだいぶ経つわよ。栞が中学生の時にまた行きましょうかって話になって、その時に私達は初めて知らされたの。売却したって」

「なんだ、そうかあ……」

「他に行きたい所はある?」

「えっと、今はちょっと……」

「じゃあ、考えておいて?」

「はーい」


あーあ、何だかなあ。

今まで順調だと思ってたのに、急に変な事になって来た気がする……

せっかくのデートはダメになるし、悠馬さんをお誘いしてお正月を迎えるのも難しそうだし。

考えてみたら、どっちもお祖父様のせい?

なーんてね。お祖父様を恨むなんて筋違いよね?

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