令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
『うんうん』


思わずママと二人で身を乗り出したのだけど……


「俺も知らないんだよ。来れば分かるからって言われた」


だそうで、ママと私はガクッと肩を落とした。

私は昨夜から、お祖父様のお話がどんな内容かを想像しようとしたのだけど、何も思い付かなかった。あ、そうだ。勘のいいママなら何か思い付いてるかも!


「ママはどんなお話だと思う?」

「そうねえ、もしかするとだけど……」

「うんうん」

「栞の縁談かなって……」

「へっ?」


縁談って、私が誰かと結婚するって事?
うそでしょ?


「おいおい、それはないだろう。栞はまだ二十歳前なんだぜ?」


パパが運転しながら、私達を振り返ってそう言ってくれた。


「そうだよ、ママ。そんなのあり得ないよ……」

「そうよね。きっと私の思い違いだわね」


もう、ママったら……。私が結婚だなんて……

と思いながらも、私はだんだん不安になっていった。だってママの勘って、外れた事がないんだもん。私が知る限りは、一度も……

< 290 / 548 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop