令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
しばらくして杏里さんは湯気の立ち昇るマグカップを二つ持って来て、それをテーブルの上に置くと俺の向かいに座った。
俺は「どうも……」と言って熱いコーヒーを一口すすり、早速栞の事を話し始めた。
「えっとですね、明日の夜から新人の店員が来る事になりました」
「へえー、何で? あ、もしかしてハル君、辞めちゃうの?」
「いえいえ、違いますよ……」
俺は手を振って否定したが、確かにそう考えるのが自然かもしれない。
「じゃあ、何で? あの店にはそんな余裕はないはずじゃない? ひょっとして、ハゲの親戚とかで仕方なくって感じ?」
杏里さんはまた店長の事を“ハゲ”と言った。そういうのはやめてほしいって、前に言ったはずなのだが……
「いいえ。新人は店長のではなく、俺の知り合いなんです」
俺は「どうも……」と言って熱いコーヒーを一口すすり、早速栞の事を話し始めた。
「えっとですね、明日の夜から新人の店員が来る事になりました」
「へえー、何で? あ、もしかしてハル君、辞めちゃうの?」
「いえいえ、違いますよ……」
俺は手を振って否定したが、確かにそう考えるのが自然かもしれない。
「じゃあ、何で? あの店にはそんな余裕はないはずじゃない? ひょっとして、ハゲの親戚とかで仕方なくって感じ?」
杏里さんはまた店長の事を“ハゲ”と言った。そういうのはやめてほしいって、前に言ったはずなのだが……
「いいえ。新人は店長のではなく、俺の知り合いなんです」