令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「あ、そうなんだ? ハル君の友達とか?」


ここが問題なんだよなあ。

栞を単に友達だと言っておけば、今日のところは丸く収まるかもしれないが、どうせすぐに嘘がばれるし、かえってまずい事になるだろう。

だったら、今の内に正直に言った方がいいだろうな。杏里さんがどんな反応をするかは分からないが。


「友達、と言うよりも……」

「ん?」

「えっと……」


やはりいざとなると言い難い。杏里さんの反応が怖くて。


「何なのよ? はっきり言って?」

「は、はい。実は……俺の彼女なんです」


言っちまった……


杏里さんはと言うと、数秒間はキョトンとしていたが、その後眉間がピクッと動き、目が吊り上った。

< 295 / 548 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop