令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
バイトが終わった後、俺は毎晩栞を家まで送っている。それは俺らしくないが、計画のためにやむを得ずそうしている。ま、栞とゆっくり話せる唯一の時間でもあるわけだが。


「疲れただろ?」

「え、ええ、少し……」

「おんぶしてやろうか?」

「えー? い、いいです」

「そうか? でも、あまり無理しない方がいいんじゃないか?」

「大丈夫です。きっとそのうち慣れると思うので、それまでがんばります!」


栞はめいっぱい疲れてるはずなのに、満面の笑顔でそう言った。

コイツ、素直で可愛いヤツだなあ……


俺は正直なところ、かなり栞を好きになっている。いわゆる、“ミイラ取りがミイラに……”の状態だと思う。しかし俺は、それを無理に否定するのはやめる事にした。

素直にそれを認める事で、むしろ計画はうまく進むと思うから。そして深い関係になり、最後は捨てる。その事さえ忘れなければいいわけだから……

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