令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
栞の家の前で、俺は栞にキスをした。別れ際のキスはほぼ日課になっているが、日に日にその時間が長くなっている気がする。

栞はすっかり俺とのキスに慣れたようで、最近では栞の方から舌を入れて来る事もある。もちろん栞とのキスは好きだが、それから先へ進めない事がもどかしい。キスが深くなればなるほど、それは強まっていく。


「悠馬さん、電車がなくなっちゃうよ?」

「そうだな。じゃあ、もう一回だけ……」


俺は未練がましく、もう一度栞にキスをした。何度しても、それだけでは満足出来ないと分かっていながら……


「ああ、このままおまえを、どこかにさらいてえよ」


思わずそう口にして、俺は溜め息をついた。“どこか”とは、ずばりホテルなのだが。


「私も、ずっとあなたと一緒にいたい……」


栞もそんな可愛い事を言ってくれた。俺の言った意味を分かって言ってるかは疑問だが。栞の事だから、たぶん分かってはいないだろうけど。

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