令嬢と不良 ～天然お嬢様の危険な恋～

「いえいえ、こちらこそ。急な話にも拘らず、このような場を設けて頂いてありがとうございます」


なるほど、この話は早川家もしくは俊樹さんから言い出したわけね。


「お言葉ですが、私どもはどんな状況か何も聞かされてませんが？」


パパがいつも以上に低い声で言った。その声の感じから、パパは間違いなく不機嫌になっていると思う。

私もだんだん腹が立って来ちゃった。勝手に人の結婚を決めないでほしいわ！


「それはこれから話してやるから、おまえは黙って聞きなさい」


お祖父様も、パパに負けず劣らず機嫌の悪そうな声で言った。この二人はいつもこう。何かと衝突しては喧嘩になりそうなんだけど……、


「分かりました……」


と、最後はパパが折れるパターンだ。