令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
お祖父様は、視線を私からパパやママに移した。そしてその表情は、はっきりと怒りに変わった。


「早川さんから頂いたお申し出とは……」


いよいよだわ。


「ご子息の俊樹君と、栞の縁組みだ」


やっぱりそうか……

俊樹さんを見たら、顔に薄笑いを浮かべたまま、私に向かって小さく頷いた。もちろん私は頷き返したりはしない。むしろ彼が憎たらしくて、アカンベーをしたい気持ちだった。


「そしてその話を早急に進めたいと早川さんは仰った。なぜなら……」


お祖父様はそこで言葉を切った。もったい付けてるのかな、と思ってお祖父様を見たら、お祖父様にしては珍しく「それはだな……」と口ごもっているので、よほど言いにくい事らしい。

あ、それってもしかして……


「栞に……男友達が出来たらしいからだ」


やっぱりかあ……

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