令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
あ、そうか。

もし家で何かあったとしたら、取り敢えずは私の携帯に連絡が入るはずだわ。もしかして、私がそれに気付いていないとか?


そう思ってバッグから携帯を出そうとしたら、それよりも早く、


「それはないと思います」


と、その人は言った。じゃあ、どういう事なんだろう。それに、何か違和感があるのだけど、それはなぜ?


「おたくは、社長さんからどう指示されたんですか?」


悠馬さんが、その人にそう質問をした。

なるほど……いい質問だわ。さすがは悠馬さん。


「それはその……私にはたぶん、守秘義務がありますので……」


その人はそう口ごもったけど、何としても答えて頂かないと……


「父には言わないので大丈夫です。それに、私は当事者ですから、知る権利があるはずです」

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