令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
もしかすると、悠馬さんはお体の具合が悪いのかしら……


「あの、悠馬さん? お体の具合が悪いんですか?」

「え? いや、そんな事はないよ」

「ほんとに?」

「ああ、本当さ」


そう言って、悠馬さんはニコッと爽やかに微笑んだ。さっきの辛そうな悠馬さんは、私の見間違いだったのかな。


「あの、明日なんですけど……どこかへ行きませんか?」


きゃっ、言っちゃった。男の人を誘ったのって、生まれて初めてじゃないかしら。


「え? おまえ、出掛けられるのか?」

「はい。明日は用事がないので」

「そういう事じゃなくてさ、つまりその……外出禁止とかじゃないのか? ハワイから戻った後も、なんだかんだで外出させてもらえなかったんだろ?」

「はい、そうですが、それはあの時だけでした」

「そうなのか? じゃあ、先週の休みも?」

「はい、大丈夫でした。でも、用事がないので家にいました」


あなたからのお誘いを待ちながら……


「なんだ……。だったら誘えばよかったな。じゃあ、明日は出掛けるか?」

「はい!」

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