令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
そして次の日。


「ママ、おかしくない?」


今日は早起きをして、いつもより時間を掛けて支度をした。だって、今日は悠馬さんと待望のデートだから。考えてみれば、悠馬さんとのデートらしいデートは、今日が初めてだと思う。


「そうね……大丈夫、十分可愛いわよ?」


ママは、私を上から下まで見てからそう言い、ニッコリ微笑んでくれた。


「ほんと? じゃあ、行って来ます」

「はい。楽しんでらっしゃい」

「うん、ありがとう」

「あ、亮に声を掛けていってね?」

「え? パパに?」

「そうよ。出掛ける時はいつもそうしてるでしょ?」


それはそうなんだけど、もしパパに引き止められたらイヤだなあ、と思ったのだけど……


「大丈夫よ。 さっき“栞は出掛けるのか?”って聞かれて、“松本君とデートらしいわよ”って言ったら、“そうか……”って言ってたから」


そんな私の心配は、ママにはお見通しだったらしい。というか、ママも心配してくれたみたい。

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