令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「たまたま、ねえ……」
「そうなんです。すごい偶然ですよね!?」
私はその間もキョロキョロと周囲に目を向けたのだけど、ターミネーター似のお兄さんの姿はなかった。
「まあ、そうだな。あ、そうだ。歩き疲れたから、ちょっと休んで行かないか?」
「え? はい、いいですけど?」
私はちっとも疲れてないのだけど、悠馬さんはそうでもないらしい。私は悠馬さんに手を引かれて歩いて行った。どこへ向かうのかは分からないのだけども。
しばらく歩くと、人通りの殆どない細い路地へ差し掛かった。そして立ち止まると、悠馬さんは繋いでいた手をいったん放し、その手で私の肩を抱いた。
恥ずかしくてもぞもぞする私の耳元で、「イヤか?」と悠馬さんは囁き、私は、耳に掛かる悠馬さんの吐息にゾクッとしながら、「ううん」と言った。
「じゃあ、入ろうか?」
「え?」
入るって、どこへ?
「そうなんです。すごい偶然ですよね!?」
私はその間もキョロキョロと周囲に目を向けたのだけど、ターミネーター似のお兄さんの姿はなかった。
「まあ、そうだな。あ、そうだ。歩き疲れたから、ちょっと休んで行かないか?」
「え? はい、いいですけど?」
私はちっとも疲れてないのだけど、悠馬さんはそうでもないらしい。私は悠馬さんに手を引かれて歩いて行った。どこへ向かうのかは分からないのだけども。
しばらく歩くと、人通りの殆どない細い路地へ差し掛かった。そして立ち止まると、悠馬さんは繋いでいた手をいったん放し、その手で私の肩を抱いた。
恥ずかしくてもぞもぞする私の耳元で、「イヤか?」と悠馬さんは囁き、私は、耳に掛かる悠馬さんの吐息にゾクッとしながら、「ううん」と言った。
「じゃあ、入ろうか?」
「え?」
入るって、どこへ?